犬の歯の病気と治療 治療事例

欠歯・埋伏歯・含歯性嚢胞

歯が足りない!?(欠歯、埋伏歯、含歯性嚢胞)

まずはお家でセルフチェック!!

【正常な歯の本数:切歯(前歯)】

上下とも:

犬歯(牙、最も鋭い歯)と犬歯の間に6本歯があるのが正常です。

【正常な歯の本数:臼歯(前歯以降の歯)】

上:犬歯と第4前臼歯の間に3本(青矢印)

下:犬歯と第1後臼歯の間に4本(赤矢印)

これが正常な本数です。

※上顎第4前臼歯、下顎第1後臼歯の後ろにも歯はあるのですが、ご自宅で確認することは非常に難しいかと思いますので、まずはここに書いてある歯があるかを確認してみてください。

本数が足りない子は要注意!!

この子は矢印の部分に歯が1本足りませんでした。

こうのような場合、「埋伏歯」といって、見かけ上歯が無いだけで、実は顎の骨の中に歯が埋もれている場合があります。

「埋伏歯」はそのままにしておくと「含歯性嚢胞」といって、顎の骨を骨折させてしまう事もある非常に怖い病気へ進行することがあります。

そこで歯科用Xrayで「埋伏歯」があるか、本当に歯が無い「欠歯」なのかを確認しました。

すると顎の骨の中に埋伏歯があることがわかりました。(赤矢印)

さらにその下には含歯性嚢胞(青矢印)をすでに形成しており、顎の骨が一部溶けて無くなっていることがXrayで分かります(黒い丸)。

★「欠歯」は特に処置なし

★「埋伏歯」は処置が必要

顎の骨を削って取り出した歯です。歯の周りにあった嚢胞も合わせて全て摘出します。

顎の骨を削ってまで取り出すと言うとびっくりされるかもしれませんが、そのままにしておけばどんどん骨が溶かされて顎が溶けて無くなってしまい、最終的には顎が折れてしまったり、吸収の範囲が広ければ顎ごと切除しなければ問題を解決できなくなることもあるため、

被害を最小限に止めるために必要な処置となります。

摘出した後のXrayです。埋もれていた歯が無くなっていることが分かります。

削った部分は本人の力で再生してきます。(範囲が広い場合は骨の再生材料を埋めます)

歯が1本でも足りない場合は必ず歯科用Xrayで埋伏歯の有無を確認することをオススメいたします。

顎が折れてしまってから気づいたのでは遅いですからね。