犬の歯の病気と治療 治療事例

歯科矯正(子犬)

乳歯抜歯の必要性

乳歯が残っていると、噛み合わせが悪くなってしまい(不正咬合)、下の歯が上顎に突き刺さってしまったり、歯が密集することで歯石がたまりやすくなり、歯周病の原因となってしまったりと、デメリットがいっぱいです。(乳歯を残しておいたがために永久歯を抜歯する必要が出てしまうこともある)

(上の写真の子は生後5ヶ月齢ですが、すでに永久歯と乳歯の間に黄色い歯石がついていることが分かります)

上の写真は乳歯を抜歯後、永久歯が正しい方向へ向くように歯科矯正を行なっているところです。

できるだけ若いうちに(特に噛み合わせに問題がある子の場合生後6ヶ月より前に)抜いてあげることをオススメします。必要があれば同時に歯科矯正も行います。

6ヶ月齢を超えて、歯の向きが決まってしまってからの歯科矯正は大変です。

この子は外側にある「乳歯犬歯」が自然に抜けてくれなかったために、「永久犬歯」が内側に向かって成長してしまい、上顎に突き刺さってしまいました。

そこで外側にある乳歯犬歯を抜歯し、永久犬歯の内側から歯科矯正を行いました。

歯科矯正1週間後の写真です。しっかりと下の永久犬歯が外側に顔を出しており、上の犬歯と第3切歯の間に抜けています。これで下の犬歯が上顎に突き刺さることは一生ありません。

乳歯が生え変わる生後5ヶ月〜7ヶ月の間は、しっかりと乳歯が抜けて歯並びに問題がないかを、月に1・2回は動物病院で確認してもらうことをお勧めします。(状況によっては1週間に1回checkが必要な子も)

乳歯抜歯を考える時期

・上顎犬歯…永久歯と乳歯の並存期間が2−3週間を超える場合

・下顎犬歯…永久歯と乳歯の並存期間が1−2週間を超える場合

・切歯・臼歯…永久歯と乳歯の並存期間が3日を超える場合

※これ以上そのままだと噛み合わせ不良(不正咬合)に繋がりかねません。歯周病予防の観点からも早めの抜歯をオススメしています。