犬の歯の病気と治療 治療事例

破折(抜髄根管充填)

クラウン ?直接コンポジットレジン で修復?

この子は左上の犬歯が折れてしまい露髄(神経が出ている状態で非常に感染を起こしやすい状態)していたため、抜髄根管充填(神経を抜きました)を行いました。

治療前後のレントゲン写真。

神経を抜く処置を行った後はそこに蓋をしなければなりませんが、その方法として、

①コンポジットレジン で蓋をして形を整える方法

②コンポジットレジン で蓋をした上で、後日型取りをしてクラウン(銀歯など) を被せる方法

があります。

 

この子は今回①を選択されました。これでもある程度形にはなりますが、正常な右側と比較すると元の形にはなっていません。またコンポジットレジン というのはプラスチックの強化版のような物で、犬の歯に使うにはやや強度が物足りない部分があります。

 

そのため形をより元の形に近づけたい場合や、強度を高めたい場合は②のクラウン を選択することで弱点を補う事ができます。この子の飼い主様には、修復物がかけてしまったりするようならいずれクラウン にしましょうとお話ししてあります。

 

治療前の左右の外観(左の上の犬歯が折れている)

治療前後の外観