歯のブログ

麻酔をかけてのメインテナンスは毎年1回?

たった1年、2年、歯ブラシや麻酔をかけてのメインテナンスを行わないだけで歯周病が重篤化する子もいます。

当院ではガイドラインに則り、半年〜1年に1回麻酔をかけてのメインテナンスを推奨しております。

(十分な歯ブラシができている場合は延期にする子もいます。)

 

症例①:

2年前の主訴:歯ブラシを頑張るから最大限の治療をして歯を残して欲しい

その後

家でのケア:歯ブラシできず。シート磨きを時々。

病院でのケア:2年間来院無し。2年ぶりに来院され、「忙しくて歯のケアができていないでいたらとんでもないことになってしまった」という主訴で来院。

 

2年前(左上奥歯)

2年後:オレンジで囲った部分の骨が歯周病により溶かされてしまっています

2年前(右上奥歯)

2年後:オレンジで囲った部分の骨が歯周病により溶かされてしまっています

2年前(上前歯)

2年後(上前歯)

 

症例②:

1年前の主訴:口が臭うからきれいにして欲しい

その後

家でのケア:歯ブラシできず。歯磨きをジェルを時々舐めさせている。

病院でのケア:1年ぶりに歯のチェックにいらしていただいた際、再び歯周病に罹患していることが疑われたため処置を推奨

 

1年前(上前歯)

1年後

1年前(右下奥歯)

1年後(根分岐部も不透過性亢進)

1年前(左下奥歯)

1年後(左下奥歯)

この子達をみていると1〜2年に1回のメインテナンスですら不十分と感じてしまいます。

とはいえ、これほどの早さで進行する子は全体で見ると1割程度なので、それほど多いわけではありません。

しかしこういう進行が早い子がいる事も事実で、その子その子に合わせたメインテナンススパンを予測し、正しい処置を受けていただく事が重要となります。

 

症例②の子は15歳で、それまで年に1回メインテナンスを受けてきており、過去はそのペースで大きな問題なく過ごせていたにも関わらず、今回の1年間では急速に歯周病の悪化を認めました。

せめて半年、できれば3ヶ月に1回程度の歯科外来でのチェックも合わせておすすめしたい所です。

 

また、歯ブラシができている・できていないは歯周病ケアにおいて非常に重要なウェイトを占めますので、歯ブラシをまだされていない方はぜひ今からでも歯ブラシに取組んでいただきたいと思います。やり方がわからない方は歯ブラシ外来を受診いただければと思います。