歯のブログ

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JBVP年次大会講演

今年もJBVP(日本臨床獣医学フォーラム)の年次大会にて講演させていただきました。

今年私に与えられたテーマは「いつ抜歯をするのか」そのタイミングについてでした。

 

新しい治療法を開発したことで、従来は抜歯1択と言われていた状態の歯であっても現在では多くの歯を守れるようになってきています。例えば歯の周りの骨がほとんどなくなってしまった状態であったり、ぐらぐらの歯であったり、鼻と口の中が貫通した状態である「口腔鼻腔瘻」と呼ばれる状態であっても、保存したければ骨を再生させて治すことも可能です。

 

しかしそれらを実施するためには1度の麻酔処置では実現できないこともあります。

治すために何回の麻酔処置が必要になりそうか、2回なのか3回なのか。

CBCT等を用いた正確な診断が無ければその見通しは立てられません。

 

現状、CBCT撮影どころか、歯科用レントゲンの撮影もせず、プロービングすら行われずに歯科治療が実施されていることが多いのが実情です。

正確な状態が把握できずに正確な治療は不可能です。

最低限、歯科用レントゲンは撮影してから治療に臨むべきであること、レントゲンをすぐに購入することができなければせめてそれまでの間はプロービングだけでも行っておくことで、少しでも麻酔に耐えてくれている動物に報いることになることをお伝えしてきました。

 

来月には我々が今年設立した一般社団法人 日本獣医歯科学会の設立記念セミナーを行います。

微力ながら、色々な場所でお話しすることで、より多くの獣医師に動物の歯科治療を正確に行っていただけるお手伝いができればと考えています。